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はずすとかずらすとか

ON: 2006年11月26日 20:51
IN: DESIGN
BY: RYU

日本の古くからある表現手法として、はずすとかずらすとかといったものがあると思います。
極端な例を挙げると丁髷の角度とか置き方とか。

ウェイトを均一にせずに、リズムを付ける表現は、粋で凄くイカしてます。
活け花のバランスの取り方とかが一番わかりやすいでしょうか?
特に立花になってくると、それらの表現をさらに進めていったかたちになると思います。
ギュイーンとうねる枝振りを、イカした構図に収めていくのですから、ライブ感とデザイン感の両立ですね。

一方、活け花とはちがい、ただ単に美しい花をバケツ一杯に汲んだだけのようなものもありますね。
ああいったものはわびもさびもなく、山盛りのステーキで胸焼けしそうです。

ウェブデザインのお仕事でいうと、山盛りステーキのような要件を出されることは少なくなりました。
世の中の流れ自体がそのような方向に向かっています。
しかしながら、まだまだ「はずしてずらす粋な表現」とかは求められず、関西人向けにいうなら「シュッとした」表現がかっこいいと考えられているようです。
例えば、ジャンプ率が大きいレイアウトは、「なんだかださい」「ここをもっと小さくシュッとせぇや」的指摘を受けてしまいます。これらの点については、プリント分野のデザイン業界に比べて、随分と遅れているように思いますね。

偉そうな事を書いていますが、その理想とするデザインを実行できているかといえばそうではありません。
ラフ案でそういった表現を試してみても、結局その案を通せるだけの権限がありませんし。
ただ、せっかく日本人に生まれたのですから、日本人のバランス感覚を盛り込んだデザインを、可能な限り試みていきたいものです。

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